イギリスのsarcasm(皮肉)とフランスのhumour(ユーモア)には、微妙な違いがあります。どちらも知的で洗練されたジョークを好みますが、イギリスのsarcasmは毒が強めで自己卑下も含まれるのに対し、フランスのユーモアは知的で皮肉を含むが、遊び心や哲学的な要素も多いという特徴があります。
🇬🇧 イギリスのsarcasm | 🇫🇷 フランスのhumour | |
毒の強さ | かなり強め | 皮肉(ironie)はあるが、知的で洗練されている |
自己卑下(self-deprecating) | 多い(俺ってダメだな系) | 少なめ(プライドを持ちつつ笑う) |
知的要素 | そこそこ | かなり多め(哲学・文学・歴史ネタが好まれる)、 上品な機知(esprit)が求められる |
話し方 | 感情を抑え、ドライでクールな口調 | 遊び心があり、少し演劇的な要素も |
ユーモアの種類 | シニカル(冷笑的)、ブラック、逆の意味で言う皮肉 | 皮肉+文化的な機知、言葉遊び(jeu de mots)、軽い哲学 |
イギリスのsarcasm(皮肉)
会社の上司が無茶な仕事を振ってくる場合
👨:「Great. Another deadline moved up. Just what I needed today.」
-> 実際には全く嬉しくないが、あえて「最高だね!」と言うのが皮肉。
友達がめちゃくちゃ遅刻してきた場合
👩:「Oh wow, you’re so punctual. I almost had to wait a whole hour for you.」
-> 時間を守っていないことを逆に「時間厳守」と言って皮肉る。
天気が最悪な日に出かける場合
👨:「Lovely weather today, isn’t it?」☔️🌪️
-> 実際には雨風がひどいのに、逆の意味を込めて「素晴らしい天気」と言うのが典型的なイギリスの皮肉。
フランスのhumour(ユーモア)
会社の上司が無茶な仕事を振ってくる場合
👨:「Ah, enfin, une nouvelle mission impossible! Mon CV va s’enrichir.」
-> イギリス流の皮肉と似ているが、「履歴書が充実する」という表現がユーモラスで、少し哲学的。
友達がめちゃくちゃ遅刻してきた場合
👩:「Ah, tu prends l’exemple des rois de France? Toujours en retard, mais toujours majestueux.」
-> ただの皮肉ではなく、「遅刻」を「フランス王の風格」と結びつけて笑いに変えている。
天気が最悪な日に出かける場合
👨:「Je me demande pourquoi les peintres impressionnistes n’ont jamais immortalisé cette merveilleuse grisaille parisienne.」☁️
-> 「印象派の画家」が出てくるところがフランス的で、文化的なユーモアセンスを感じさせる。
実際に言うときの注意点🍫☕️
- イギリスのsarcasmは、相手によっては「嫌味」と受け取られることもある。特に英語圏以外の人には伝わりづらいことがある。
- フランスのhumourは、少し大袈裟に表現したり、知的な要素を入れるとウケやすい。逆に、イギリス流のストレートな皮肉を言うと、「失礼」と思われることも。
- フランス人と話す時は、皮肉よりも「機知のあるユーモア」で返すと好印象。フランス人は「シニカルなジョーク」より「文化的・哲学的なウィット」を好む。
ちなみに、フランス人彼氏との会話の場合・・・
— 料理の失敗 —
👨:「This dish… how should I put it… it’s… experimental, isn’t it?」
👩:「Oh yes, and I’m going to call it “Avant-garde Gastronomy”. Would you like to be my first food critic?」
-> フランス人はアートや食文化に誇りを持っているので、こういうウィットのある返しが刺さります。